HDが故障してしまった場合にまずするべきこととは?

公開日:2025/04/15  

まずするべきこと

パソコンやスマートフォンなどの電子機器で使われているハードディスク(HDD)は、私たちの大切なデータを保存する重要なデバイスです。しかし、HDDは精密機器であるため、さまざまな要因で故障することがあります。今回はHDDの内部構造や仕組み、故障の原因、故障した際の対応策について解説します。

HDDの内部構造・仕組み

ハードディスクドライブ(HDD)は、パソコンやゲーム機などでデータを保存する重要な部品です。HDDの内部にはいくつかの精密な部品があり、これらが協力してデータの保存や読み取りを行っています。こちらでは、その仕組みをわかりやすく説明します。

プラッタ

HDDの中でもっとも重要な部品はプラッタという円盤です。プラッタは金属やガラスでできており、表面に特別な磁気材料が塗られています

この磁気材料が、コンピュータのデータを保存する役割を果たします。プラッタは高速で回転しており、1分間に数千回転することもあります。この高速回転が、データを迅速に読み書きするために必要です。

磁気ヘッド

プラッタのすぐ上を浮かんで移動する磁気ヘッドは、データを読み書きする部品です。磁気ヘッドは、プラッタの表面にある磁気材料の向きを変えることで、0と1のデータを記録します。

データを読むときは、この磁気の向きの変化を検出して、情報を取り出します。磁気ヘッドは、髪の毛の太さの1/1000程度の距離で浮かんでいるため、非常に精密な動きが求められます。

アクチュエータアーム

磁気ヘッドを動かすのはアクチュエータアームという部品です。このアームは電磁石を使って、磁気ヘッドをプラッタ上の正確な場所に移動させます。非常に速く動き、必要な場所に正確にヘッドを移動させることで、データの読み書きが効率よく行えます

スピンドルモーター

プラッタを回転させるのがスピンドルモーターです。このモーターはプラッタを高速で回転させ、安定した速度を保ちながらデータのアクセスを支えています。スピンドルモーターのおかげで、HDDはデータをスムーズに読み書きすることができます。

完全密封

HDDは内部が完全に密封されています。これは、プラッタと磁気ヘッドが非常に近い距離で動いているため、わずかなほこりやゴミが入るだけで故障の原因となるからです。密封された内部で、埃が入ることを防ぎ、HDDが長く安定して動作できるようになっています

HDDの故障の原因

HDDは精密な部品で作られているため、いくつかの原因で故障することがあります。故障の原因を理解し、予防することが重要です。ここでは、よくあるHDDの故障原因を紹介します。

強い衝撃による故障

HDDが故障するもっとも一般的な原因のひとつは強い衝撃です。パソコンを落としたり、強く机に置いたりすると、HDD内部の磁気ヘッドがプラッタという円盤にぶつかり、記録面に傷がつくことがあります。傷がついた場合、データが読み取れなくなることがあります。

突然の停電や電気の乱れ

HDDにとって、突然の停電や電気の乱れも大きなリスクです。とくにデータを書き込んでいる最中に電源が切れると、データが破損することがあります。電源が安定している環境で使用することが大切です。

部品の自然劣化

HDDの内部部品は長期間使用することで劣化します。とくにモーターなどの動く部品は年々弱くなり、起動が遅くなったり、異音が発生したりします。これが進むと、HDDが動かなくなることがあります。

環境による影響

HDDは温度や湿気、ほこりに弱いです。高温や湿気の多い場所、ほこりの多い場所で使用すると、内部にほこりが入って故障することがあります。適切な環境で使用することが重要です。

HDDを長く使うための注意点

HDDを長く使うためには、衝撃を避け、安定した電源環境で使用することが大切です。また、定期的にデータをバックアップし、長期間使用している場合は交換を考えることも必要です。

HDDが故障した際にするべきこと

HDDが故障すると、大切なデータを失う恐れがあります。故障が疑われる場合、冷静に対処することが非常に重要です。

HDDが本当に故障しているか確認する

まず最初に、本当にHDDが故障しているのかを確認します。パソコンが起動しない、データにアクセスできない場合は、ケーブル類の接続が正しいかを確認します。電源ケーブルやUSBケーブルがしっかり接続されているか、別のポートに差し替えてみると、問題が解決することもあります

異音がする場合は物理的故障の可能性

もし「カチカチ」や「カラカラ」といった異音がHDDから聞こえる場合、物理的な故障が疑われます。このような場合は、無理に操作せず、次のステップに進むことが大切です。

バックアップの有無を確認

次に、データのバックアップがあるか確認します。クラウドストレージや外付けHDDなどにバックアップを取っている場合、そこからデータを復元できます。バックアップがない場合は、専門のデータ復旧サービスに依頼することをおすすめします

HDDをむやみに操作しない

故障したHDDは、むやみに操作しないことが重要です。電源を入れたままだと、さらに状態が悪化する可能性があるので、すぐに使用を中止し、HDDに触れないようにします。自分で分解したり無理に認識させようとすると、故障が進行する可能性があるので、絶対に避けてください。

専門業者に依頼する

データの重要性が高い場合は、専門のデータ復旧業者に依頼することをおすすめします。費用はかかることがありますが、大切なデータを取り戻すための最良の方法です。複数の業者から見積もりを取り、復旧率や費用を比較して選びます。

まとめ

今回は、HDDの仕組みや故障の原因、故障した場合にするべきことを解説しました。HDDは複数のプラッタと呼ばれる円盤に磁気ヘッドでデータを記録する精密機器であり、物理的衝撃や電気的トラブル、経年劣化などが故障の原因となります。故障の兆候が見られたら、まず冷静に接続状態を確認し、異音がある場合は使用を中止することが大切です。重要なデータがあれば、自分で無理に修復せず専門の復旧業者に相談することをおすすめします。

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