NASのデータを復旧する方法は?

公開日:2024/04/26

データ復旧

NASはネットワークで接続しているPCやスマホ、タブレットなど複数のデバイスでデータを共有できる記憶装置のことです。

外付けHDDと違い、LANケーブルで複数のデバイスをつないで同時に使用できるというメリットがあります。しかし、NASのデータが損傷すると業務に支障が出ます。

今回はNASのデータ復旧についてまとめます。

NASとは

NASとはネットワークに接続できるHDDで、ネットワーク対応HDDともよばれます。NASと複数のPCやスマホ、タブレットといった端末をLANケーブルやWi-Fiでつなぎ、同時に使用できます。

NASがあれば、複数人でファイルを共有できたり写真や動画をシェアできたりします。また、個々が持つデバイスのデータのバックアップも可能で、外出先からNASにアクセスして必要な情報をやり取りすることも可能です。

家庭用として使用する場合は、家中で同じ音楽を楽しむことや録画したテレビ番組を好きな場所で再生・視聴するといった使いみちもあります。

NASのデータが破損する理由

多くのメリットがあるNASですが何らかの理由で破損して使用不能となることがあります。NASのデータが破損してしまう理由は大きく分けて2つです。

1つ目の理由は「物理的な破損」です。NAS自体が物理的に壊れることで発生するデータの破損です。落下による衝撃や水没、落雷、経年劣化など機器そのものが損傷してNASのデータが破損したり使用不能になったりします。

こうした物理的な破損は再起不能となることも少なくないため、データが永久に失われる恐れがあります。

2つ目の理由は「論理的な破損(論理障害)」です。NASの機器自体に異常がないにもかかわらず、保管されているデータが使用できなくなる障害です。論理障害にはさまざまな種類があります。

よくみられるのが、端末が起動しないことやHDDが動いているのにOS(WindowsやmacOS、Android、iOS/iPadOS)が起動しない、あるいは起動時にロゴが表示されたまま停止するといった障害です。

それ以外にも青い背景に白い文字でエラーコードが表示されるブルースクリーンや勝手にチェックディスクが始まってしまうこと、「フォーマットする必要があります」などのエラーメッセージが表示されることなどもあります。

OSが立ち上がっても、今まで開けたフォルダやファイルが開けなくなったり、フォルダやファイルのコピー・保存ができなくなったり、あったはずのフォルダやファイルが消えてしまったりといったことも発生します。こうした状況に陥った端末は使用できなくなります。

原因として考えられるのは人為的ミスによるデータの削除や上書き、ハードディスクの初期化の他にウィルス感染、停電による損傷、起動中に電源を抜くといったことが考えられますが、どれか一つに絞り込むのは難しいかもしれません。

データの復旧率を高めるにはどうすればいい?

論理障害が発生したとき、どうすればデータの復旧率を高められるのでしょうか。真っ先にするべきことはケーブルの接続を確認することです。

ケーブルが断線していたり抜けかかっていたり、差し込む場所が違っていたりすることが原因かもしれません。ケーブルの接続が原因だった場合は、接続しなおすだけで問題を解決できるかもしれません。

データの消失など重大な障害が発生した場合はNASの使用をすぐに中止しましょう。そのまま使っていると、異常な状態が上書き保存されてしまいデータが元に戻せなくなる恐れがあるからです。故障の原因がわかるまで、NASの電源を切った方がよいでしょう。

トラブル発生時にどのようなメッセージが出たかも重要なポイントです。メッセージの出方は機種によって異なりますが、特定のエラーコードが表示されることがあるため、それを記録しておくとNASの異常原因が判別しやすくなります。エラーコードやエラー発生時の挙動は取扱説明書や公式サイトに記載されているため、異常発生時に確認しておきましょう。

障害発生時にNASのHDDを交換したり、順番の入れ替えをしたりすると複数のHDDを使ってデータの保全や読み書きを高速化する仕組みである「RAID」が崩れてしまいます。

すると、データの破損や消失のリスクが高くなり復旧できなくなる恐れが強まります。障害発生時のHDD交換はやめましょう。

障害が発生している可能性があるときは、「リビルド」作業を避けるのが無難です。リビルドは複数のHDDのうち1つが壊れているときに正常に機能するHDDから壊れたデータを復元する作業のことです。

しかし、安易にリビルドを行ってしまうと状況をさらに悪化させることがありますので、極力リビルドは避けましょう。

一刻も早くNASを復旧させたいからといって、状況確認をしないままメーカーに修理依頼をするのもリスクがあります。

確かに、メーカーによる修理でNASの機能は復旧します。しかし、修理で復旧するのはNASの機能であって壊れたデータではありません。重要なデータを復旧しなければならない場合は、別の方法でデータ復旧を図る必要があるでしょう。

また、フォーマットや再インストールをしてしまうと修理と同じようにNASの機能を回復させることはできますが、失われたデータは復旧できません。データの復旧とNASの機能回復のどちらを優先させるかよく考えたうえで決断しましょう。

NASデータ復旧のために個人ができること

NASに障害が生じたとしても、対処の仕方によってはデータを復旧できるかもしれません。データを復旧するにはどうすればよいのでしょうか。

最初にするべきことは本体の状況確認です。ケーブルの接続を再確認し異常がないのであれば、一度再起動をしてみましょう。場合によっては再起動で問題が解決し元通りに使用できるかもしれません。最新バージョンをインストールすることでソフトウェアの問題が解決する可能性もあります。

再起動しても事態に変化がないようであればバックアップの活用を考えます。NASを設置する際、外付けHDDや他のNASなどにバックアップを取る設定をしているときは、異常が起こる前の状態に復元できます。

NASの機種によっては「ごみ箱機能」が搭載されているものがあります。ごみ箱機能が有効になっていれば、誤作動前のデータを復旧できるかもしれません。

データ復旧を行うソフトウェアを利用するという方法もあります。データ復旧のためのフリーソフトもありますが、確実に復旧できるというわけではありません。

専門知識がない人がソフトウェアでデータ復旧を試みるとかえって事態を悪化させることもあるため、安易に利用するのはおすすめできません。同様にインターネット上の情報を鵜呑みにして対処するのもリスクが伴います。

重要なデータであれば、データ復旧会社に依頼するのがおすすめです。専門業者はデータ復旧のノウハウを蓄積しており、復旧のための設備も充実しているからです。

論理障害はやり方次第でデータを復旧できる可能性があるため、専門業者の活用も検討したほうがよいでしょう。

まとめ

今回はNASのデータを復旧させる方法について解説しました。NASには重要なデータが保存されていることも多く、トラブルが発生してもデータだけは何とかしたいのではないでしょうか。

その際はエラーコードなどのデータ発生時の状況をできるだけ正確に記録し、専門業者にゆだねるのが無難です。

また、普段から定期的にバックアップを取ることで万が一のトラブルやデータ損傷に対応できます。常に万が一に備えて重要なデータを守る手だてを講じておくべきでしょう。

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