HDDの復旧率を高めるための業者選びのポイント
パソコンや外付けHDDに保存していた大切なデータが突然読み込めなくなったら一大事です。しかし、HDDの不具合はしかるべき専門業者に依頼することで、高確率で復旧できます。ただし、業者選びを間違えると大切なデータを二度と取り戻せないリスクが高いです。この記事では、HDDの復旧率を高めるための業者選びのポイントを解説します。
HDD復旧業者の種類
HDD(ハードディスクドライブ)は、パソコンや外付けドライブなどで使われているデータ保存装置です。CDのような円盤(プラッタ)に磁気でデータを記録します。データは「ヘッド」と呼ばれる小さな針のような装置で読み書きする仕組みになっています。
そんなHDDの故障は、大きく分けて2種類です。ひとつ目は論理障害(ソフトウェアのエラー)です。間違ってデータを削除してしまった、フォーマットしてしまった、ウイルスに感染した、ファイルやフォルダが開けなくなった、などの症状が論理障害に該当します。データは物理的に壊れていないため、ソフトウェアで復旧できる可能性があります。
もう一つは物理障害(ハードの破損)です。PCを物理的に落としたり、ぶつけたりした衝撃により発生する障害で、カチカチ音やガリガリ音をたてるのが特徴です。また、電源が入らないといった症状もあります。中の部品が壊れているため、専門設備での分解修理が必要です。論理障害と比べて難易度が高く、慎重な対応が求められます。
物理障害の場合、自分で何度もPCの電源を入れなおすと、症状を悪化させる可能性が高まります。DD復旧業者は、HDDの故障タイプによって対応できる分野が異なるため、いくつかの種類に分かれます。以下は、業者の種類ごとの特徴です。
論理障害専門業者
論理障害専門業者は、OSやファイルシステムのエラー修正がメインで、比較的軽度の障害に対応します。ソフトウェアによる復旧が中心なので、料金も比較的安価です(数千円~数万円程度)。
HDDの中身を誤って消してしまった、物理的な衝撃を与えていないもののPCが起動しない、といったケースの解決が期待できます。
物理障害対応業者
物理障害対応業者は重度障害に対応し、高度な専門技術・クリーンルーム(無塵環境)などの特別な設備でHDDを復旧します。コストが高く(数万円~数十万円以上)、成功報酬型が多いことが特徴です。
データの重要度が高く、何としてでも復旧したいケースでの解決が期待できます。
総合系業者
総合系は論理障害にも物理障害にも対応できる技術力をもつ業者です。症状を見て、正確な診断・適切な対応方法の選定が可能です。
ソフトウェア提供型業者
ソフトウェア提供型業者は、依頼者のセルフ対応が基本のため、費用は安価です(5,000~1万円程度)。ただし、物理障害がある場合は悪化させる可能性があります。データの重要度が高い場合には利用を控えるべきです。
HDD復旧業者の中には代理店・仲介業者も存在する
HDD復旧業者の中には、依頼者と実作業を担当する業者を仲介するだけの代理店・仲介業者も存在します。代理店タイプに依頼すると、間に人が入るため技術的なやり取りがしづらいです。
しかし、中間マージンが発生し、機器の発送も代理店をはさむため遅くなります。コスト・スピード・セキュリティを重視する場合は、技術者が常駐している直営系の復旧業者を選ぶことをおすすめします。
HDD復旧業者を選ぶ際の注意点
HDD復旧の成否は、業者の技術力と対応の的確さで大きく左右します。復旧業者を選ぶ際には、まず「中身がどうなっているか」を無料で診断してくれる業者がおすすめです。そのような業者は、復旧できる見込みや費用を聞いてから判断できるので安心して依頼できます。
また、成功報酬制かどうかの確認も重要です。「データが復旧できたときだけ費用がかかる」という成功報酬制を採用している場合はリスクが少なく、信頼しやすい業者です。一方、復旧できなくても高額請求する業者には要注意です。同様に、料金があいまいな業者もトラブルの元になります。そのため「軽度障害○○円~」「重度障害○○円~」のように、ある程度の料金目安を提示しているかをチェックしましょう。
物理障害の場合、HDDを分解する必要があります。その際は、埃のない専用の作業部屋(クリーンルーム)がある業者でないと、部品に傷がついて復旧不能になるリスクがあります。ホームページなどで「クリーンルーム完備」と記載があるか確認するべきです。
また、データには個人情報や大事な資料が含まれていることも少なくありません。復旧業者に渡したHDDから情報が洩れる可能性もゼロではないので、セキュリティ対策がきちんとしている業者を選ぶことも重要です。ISO27001やISO9001など、情報保護や品質管理など国際的な認証を取得している業者なら安心です。
そして、実績や口コミからうかがえる信頼性も大切な判断材料となります。復旧件数が多いか、企業や官公庁との取引実績はあるか、ネット上の口コミは良好かなどを事前に把握して置くことが大切です。業者のホームページには、良いことしか書かれていないことが多いです。そのため、実際に利用した人の声を参考にすることをおすすめします。
まとめ
HDD復旧業者は、サービス提供の範囲によって「論理障害専門業者」「物理障害専門業者」「総合系業者」「ソフトウェア提供型業者」などの種類があります。論理障害専門業者は、データの誤削除やウイルス感染など比較的軽度の障害に対応します。物理障害専門業者は、HDDが物理的に壊れてしまった重度の障害に対応可能です。総合系は論理障害・物理障害の両方に対応します。ソフトウェア提供型業者の場合、依頼者のセルフ対応が基本です。HDDの不具合に直面するとパニックになりがちですが、正しい知識をもち、信頼できる業者を選ぶことでデータの復旧率を高められます。まずは、無料診断のある業者に相談することをおすすめします。